CAR GRAPHIC 誌 2025-09「挽歌をうたう…」を読んで

 長い会社勤めから ようやくリタイアすることに。約44年間。“誇り”と“やりがい”のある仕事に恵まれたものの、そこにかけた時間は大きなものだった。自動車少年の一つの柱を構成した雑誌「CAR GRAPHIC」についても、毎月欠かさず購入してきたものの、すべての記事に目を通すことは なかなか。ただ最も影響をうけ、欠かさず、いち早く読んだのは巻頭コラム。古くは創刊編集長・小林彰太郎氏の“From Inside”や三本和彦氏の“From Outside”。最近は歴代編集長や、鈴木正文氏の文章だ。

 2025年9月号(8月1日刊)、鈴木正文氏の“FromOutside”では、CG誌の副編集長や雑誌「NAVI」の創刊編集長をされた大川悠氏のご逝去を知ることに。

 え!と思ったのは つい先日、「NAVIを振り返り、未来を考える」をテーマに創刊された「クラクション」にも文章を寄せられていたし、鈴木氏との2ショット写真もあったから。大川さんというと、フランス車や、クルマのデザインについて お好きで詳しいという印象が残っていて、記事からも多くを学んだように思う。

 高校生ぐらいから、多くのクルマ雑誌、バイク雑誌、とくに二玄社から生まれたものは 創刊号から片っ端から買い続けてきたが、一時期さすがに持ちきれぬようになり、整理を決断することに。「CAR GRAPHIC」は全巻残しつつ、「NAVI」は1冊まるごと残すもの、記事だけ切り取って残すもの、そして処分するものとし、気になる記事は手元に残した。これからこそ ゆっくり自由な時間に楽しむのだ。

 加えて、「NAVI」にイラストを連載していたデザイナーの児玉英雄さんや、中村史郎さんとの交友も深く、中村さんの提案?で生まれた「デザイナー 児玉英雄」も大川さんが残してくれた宝物だ。その作品の数々は まことに素晴らしく、あるとき2冊目を古本屋で求め、一つを額装用にバラし、「勝手に児玉英雄ギャラリー」と称して楽しんでいる。

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